「わたし」「わたくし」の使い分けとは?どのような違いがあるの?

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言葉遣い

1人称を表す代名詞に「私」というものがあります。

ビジネスにおいては、男女ともに「私」を用いるのが一般的です。

漢字であれば同じですが、読みとしては、「わたし」と「わたくし」の2つがあります。

それぞれはどのように使い分けるのが良いのでしょうか。

そこで、ここでは、「わたし」と「わたくし」の使い分けについて、詳しく見ていきたいと思います。

目次

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「わたし」と「わたくし」の違いは?

「わたくし」も「わたし」も同じ1人称ですが、「わたくし」の方がかしこまった表現です。

辞書で調べると、以下のように記載されています。

本来の読みは「わたくし」だが、ややかしこまった言い方。「わたし」が最も一般的な言い方。女性は「あたくし」「あたし」と言うことがある。

本来は、「私」の読みは、「わたくし」だったようですが、それがくだけて「わたし」と読むようになったそうです。

そのため、違いとしては、くだける前の読みである「わたくし」がかしこまった表現ということになります。

では、「わたし」と「わたくし」はどのように使い分けるのが良いでしょうか。

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「わたし」と「わたくし」の使い分けとは?

「わたし」と「わたくし」の使い分けは、公的な場所かどうかで判断するのが良いでしょう。

「敬語の指針」文化審議会答申では、以下のように述べられています。

基本的には,「僕」は,男性が日常の生活で用いる言葉であり,「わたし」は,やや改まった場面で用いる言葉である。「私(わたくし)」は,「わたし」よりも更に改まった公的な場面などで用いられる。したがって,例えば,式典や会議の場,面接試験などのときには,「僕」よりも,「わたし」あるいは「私(わたくし)」を用いた方が,その場面にふさわしい選択だと言える。
「敬語の指針」(文化審議会答申 平成19年2月2日)

あまり公的な場に出る機会はない方も多いかもしれません。

しかし、面接・会議・式典などに参加することはあるでしょう。

そのような場合には、1人称を「わたくし」とするのが良いでしょう。

ただ、だからといって「わたし」という表現が不適切だというわけではありません。

特に、男性が1人称を「わたし」とするのは、かしこまった表現であることは間違いありません。

「敬語の指針」文化審議会答申では、以下のようにも述べられています。

自分のことをどう呼ぶかについては,場面に応じたふさわしい言い方がある。
ただし,必ずこうしなければいけないという決まりがあるわけではない。実際には,どういう場面においても,「僕」(あるいは「わたし」)とだけ呼んでいる人もいるだろう。また,「おれ」「僕」「わたし」「私(わたくし)」を場面に応じて使い分けている人もいるだろう。
自分自身のことをどういう言葉で呼ぶかという問題は,自分をどういう自分として表現したいのか,ということとも深く関連している。「おれ」「僕」「わたし」「私(わたくし)」など,自分を呼ぶ様々な言葉の中から,自分を表すのにふさわしいと思える言葉を選択すること,また,状況に応じてそれらを使い分けること,あるいは使い分けないこと,そうしたことが自分をどう表現しようとするのかという,「自己表現」の在り方につながっているのである。

1人称を表す言葉は、あくまでも、自己表現の一環です。

しかし、物事にはTPOというものがあります。

そのため、かしこまった場所では、「わたくし」または「わたし」を用いるようにしましょう。

就活の面接などでは、「わたくし」という表現を使っておいて損はありません。

では、かしこまった表現の「わたくし」を用いる際に注意すべきことはあるのでしょうか。

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「わたくし」を使う際の注意点は?

「わたくし」という表現を用いる際には、よそよそしくならないように注意するのが良いでしょう。

会社などで、「わたくし」という表現を対外的に用いるように指導される場合もあります。

だからといって、同僚に対して、「わたくし」と言っていては、よそよそしく思われるかもしれません。

上司に対しても、雑談などでも「わたくし」では少し固い印象を与えかねないですよね。

ビジネスマナーとしては、公的な場では、「わたくし」が良いですが、それ以外については、1人称をうまく使い分けるのが良いのではないでしょうか。