以前、公開した記事に強制退去について書かせてもらったのですが、その記事がそこそこ評判が良かったのでもっと詳しく書こうと思います。今回クローズアップするのは、初めて裁判所執行官が家に来た日のことです。
裁判所執行官とどのようなやりとりをしたのか、以前の記事ではサクサクっとしか書いてなかったので、今回は多少詳しくご説明していきます。
目次
知られざる裁判所の執行官の実態
家賃を滞納して、4ヶ月以上経ってくると大家さん側から訴訟を受けます。その訴訟に負けてしまうと強制退去になってしまいます。詳しい経緯はこちらの記事でどうぞ。
今回はその記事の中であまり触れなかった、初めて裁判所執行官が家に来た日についてご紹介していきます。裁判に負けてしまった後、強制的に退去させられる日にちを決めるために裁判所の執行官という人が家に来ます。
裁判所の執行官という人は強制退去をするため責任を任された人です。その人が家に来て強制退去する日までにしてほしいことを説明してくれるのです。
裁判所の執行官と言われれば、少し怖い印象があるかもしれません。今回の記事で一番伝えたいことは裁判所の執行官が死ぬほど優しいということです。
高圧的ではなく、同情の気持ちで接してくれるのです。この短い期間で退去する事は難しいだろうから、なるべく長引かせるというスタンスで来てくれるのです。
裁判所の執行官が「早く出て行け」というような高圧的な人と想像していた僕にとってこれは驚きでした。まさかこんなに良心的な人と話ができるなんて思っていなかったからです。
裁判所の執行官だけが味方
初めて裁判所執行官が家に来た日には、執行官と運搬業者と大家さん側の人間が来ます。執行官以外の人達は非常に高圧的で「早く退去してもらわないと困るよ、はよ出て行ってくれよ」というような言葉をやたらとかけてくるのですが、裁判所の執行官だけは非常に優しく、「他の人がそう言っているけれど、無理のない日でいいんだからね」と言ってくれます。
ただ、限界まで伸ばせるとしても、法律的に約1ヶ月後まで。日にちが決まったら、次は退去するまでにしておかなければならないことを説明してくれました。
強制退去になる日までに自分の荷物をきちんと出しておかなければ、裁判所に没収され、売却手続きをされてしまいます。裁判所の執行官に言われたのは、売却の手続きをされてもいいと思う荷物以外は絶対に1ヶ月以内に回収しておいてくれということ。
多くの没収された人達が後々から後悔されるようなものというものを事前に教えてくれました。引っ越し代がないなら、自分の車に乗るようなものからを少しずつ運んで外に出しなさいとのこと。
裁判所執行官は明らかにこっちよりの人間でした。アドバイスいただいたものの、結局全て没収されてしまったのですが…。没収された荷物がどうなったのか、また後日詳しく書こうと思います。
強制退去までにして欲しい事の説明が終われば、人生教訓みたいなことを話してもらえます。これは全ての裁判所執行官がそうではないのかもしれません。
僕の場合は「このようなことがあったとしても、諦めなければ絶対に復活できるので、頑張ってください」と諭されたのです。明らかに負け犬ムードを漂わしていたため、声をかけてくれたのでしょう。
その日は全員から虐げられ、非難されるという覚悟をしていたため、裁判所執行官が強制退去される側に寄った対応をしてきたというのは本当に驚きでした。
まとめ
以上、初めて裁判所執行官が家に来た日のことについてご紹介しました。今回の記事で一番伝えたかったことは、裁判所側から派遣される執行官の人はとてもいい人だということです。
執行官の人いわく、強制退去がキッカケで自殺など悪いことに走ってしまう人が多いため、このように優しい言葉をかけるようにしているようです。その日みんなから虐げられる思ってた僕にとっても非常に救いでした。
自分の敵だと思われがちな裁判所なども味方になってくれるという人がいるということを実感しました。役所勤めの人たちは自分の都合だけを振りかざす人間が多いと当時思ってたので、強制退去を受けた経験の中で最も貴重な体験だったと思っています。