以前、強制退去についての大まかな流れと裁判所の執行官が家に来た日のことをご紹介しました。今回は強制執行されて荷物が没収され、その後荷物を回収するまでの流れについてなるべく詳しく紹介していこうと思います。
目次
1時間程度で全ての荷物を回収される
家賃を滞納して強制執行を受けるまでの大まかな流れと強制執行を受ける前に裁判所執行官が家に来た日のことについてはこちらの記事に書いています。
今回ご紹介するのは、実際に強制退去を受けて荷物を没収されてから荷物回収するまでです。
荷物を没収される日を決められた後に、その日までに何もできなければトラックが2〜3台来て、全ての荷物を没収していきます。没収の時間と言うのは決まっているため、その時間になれば大所帯で家にきます。
通常の引越しとは違い、家具に傷がつかないような丁寧な梱包やなどは一切なく、とりあえずガシガシとトラックに積み込んでいきます。
食器などは新聞紙などに巻かれ、運送業者が持ってきたダンボールの中にポイポイと入れられます。とにかく早く終わらせる方針があるのか、扱いはかなり雑。新聞紙にくるめてもらってるだけまだマシと思えることです。
荷物を全く回収できておらず、ほぼ100%荷物を残していたのですが、およそ1時間で全ての荷物をダンボールに詰め込まれ、4トントラック2台分ほどで荷物を没収されました。
自分に残されたのは自分が今身につけている服と財布と携帯ぐらいです。
没収された荷物には値段がつけられる
没収された荷物はどこに行くのかというと裁判所の管轄にある一般の業者の荷物置き場に持っていかれます。僕の場合は、地元のコンテナハウスみたいなところにすべての荷物を保管されました。
荷物にはいつまでに回収しに来なければ売却するという旨が書いてあるのです。荷物を売却までの期間はおよそ1ヶ月ほどだったと思います。それまでに取りに来なければその日のうちに売られてしまうのです。
荷物を没収された後に値段計算をされ、まるまる一式いくらで買えるのかという買取金額を掲載されます。期日までにリサイクルショップの業者などが募集された僕の荷物を見に来るそうです。
僕の場合は荷物の全てを差し出したにもかかわらず、およそ買取金額は1万5000円。リサイクルショップはこのようなところから買い取って利益を出しているんでしょう。
そこそこ新しい家電やそれなりのスペックのデスクトップパソコンがあったため、リサイクルショップからすると十分に利益を取れます。着実になれば間違いなく落札されるでしょう。
僕の他にも没収されたものがそのコンテナハウスには置いてあり、少なくとも4件分ほど置いてありました。結構の人が同時期に荷物を募集されたということを知りわりとみんな大変な思いをしているんだなと謎の感情移入をしてしまいました。
そのどれもおよそ1万円から2万円ほど。査定金額はもはや真面目につけていないんでしょう。
没収された自分の荷物を自分で買い取る
保管されたに荷物を期間以内に回収する見込みが立っていないため、裁判所執行官に相談したところ、もうどうしょうもないのであれば、自分で自分の荷物を落札して手に入れるしかないとのこと。
自分が落札した後にそのコンテナハウスにあんたの次の住宅が決まるまで保管してくれるように業者に掛け合ってあげると言われたのです。なんて優しい人なんだ…。
裁判所の執行官曰く、リサイクルショップ業者は期日になると時間バッチリで来る人が多いようです。僕の荷物は、パソコンや家電などがあるため超高確率で業者が買いに来ます。
開始時間と同時に買取受付出来るように善処しましょうとの事でした。ですがあまりにも早い時間に業者が来ていた場合は、もう諦めるしかないようです。
それを踏まえた上で、当日は時間の1時間前ぐらいにコンテナハウスの前に待機。裁判所執行官も落札受付をその場にしてくれるために現場に来てくれました。
今のところリサイクルショップの業者の姿は見えません。10時になると落札会購入者希望の募集開始です。そのタイミングと同時に僕は買取申し込みをし、一番手になることができ、没収された自分の荷物を自分で1万5000円で買い取るという、わけのわからない状態になってしまいました。
その手続きをしていた5分後程。リサイクルショップ業者がきました。僕の荷物を買おうとしてたらしいのですが、一足遅くものすごく残念そうに残された4軒分の荷物を全て買い占めて行ったのです。
あともう少し来るのが早かったら、自分の荷物はこの業者に買い取られてたのだと思うと背筋が凍りましたよ…。実は残りの4件の持ち主と思われる人がリサイクルショップ業者が購入した後に来ていましたが、もう購入されたということを知られ、絶望に浸っていたんです。裁判所執行官と仲良くしてて本当によかった…。
まとめ
強制執行までに荷物を出すことができなければ、荷物を没収され倉庫的な所に保管されます。期日までに回収することができなければ、競売にかけられてしまいます。
その競売価格というのは非常低いため、自分で購入して取り返すこともできます。時間とともにリサイクルショップ業者がくるので、裁判所執行官とある程度打ち合わせをして、すぐに落札できるような手はずをとってなければ自分の荷物が他の誰かに買い取られてしまい、もう回収することを不可能になってしまいます。
もし自分が買い取ることができれば、そのコンテナハウスに次の住む場所が決まるまで荷物だけ置いておくという技もできます。とにかく重要なのは裁判所執行官と仲良くしておくこと。
この方法はすべて裁判所執行官に教えてもらいました。インターネットにもこの情報が載っていなかったため、仲良くしてなければ確実に荷物を失っていたでしょう。本当に感謝しています。
ちなみに強制退去されて、次の新居が決まった後に起こった悲劇はこちらの記事にまとめています。