家と職場の往復だけで1日の大半を過ごしている者にとって、異性と長時間過ごすのは職場ですから、社内で恋愛感情が芽生えることがあるのは仕方のないことかもしれません。
しかも、同じ目的の仕事に向かって一緒に活動している時間が長ければ長いほどお互いのことをよく知る機会に恵まれるわけですから、下手な婚活をするより職場は相手選びに安心で確実かもしれませんね。
それはそれとして、問題はそこが職場であるということ。
2人の問題なんだからそっとしておいてあげれば…なんて悠長なことを言っている場合ではなくおよそビジネスとは程遠い目に余る2人の行動のため、周りからブーイングの嵐が吹き荒れる職場もあるのです。
これはもう放っておけない学級崩壊ならぬ職場崩壊の問題。上司のあなた、出番ですよ。
当記事では、社内恋愛でおこりうる様々なトラブルの事例と、職場を守るために上司として恋愛関係の2人にどういう言い方で注意をすれば伝わりやすいかについてアドバイス。
人の恋路を邪魔する野暮なおじさん(おばさん)で終わらないように、上手いアドバイスで、「さすが!」と言われたいあなた、ぜひ最後までご覧ください。
目次
「公私混同」の意味わかってるのか?
何が迷惑って、職場の公私混同ほどたちの悪いものはない。
小学生だってチャイムが鳴ったら教室に戻って学びの準備を始めるケジメは知っている。
なのに、職場で堂々とイチャつく(バ)カップルたち。
例えばこんなことも…。
【会社の経費で2人で堂々とデート⁉】
仕事の打ち合わせと称して会社の経費使って食事したり出張行ったり。ほぼ犯罪です。
【えこひいき】
同じ立場の社員に公平・平等に対応することが出来ず、ついつい感情が先に出てしまって特定の彼・彼女にだけ好待遇する。
見え見えで、仕事やる気など失せてしまう。
【他の異性と仕事の話で盛り上がっているだけでジェラシー】
職場なんですから必要なら誰とでもコミュニケーション取るのは当たり前。2人が付き合っていることを知らない人が後で八つ当たりや陰険な意地悪をされたりして、「何で私がこんな目に合うわけ?」というイヤーな雰囲気に。
【飲み会の席順を変えさせる】
幹事が決めた席など完全無視。自分たちは当然のようにくっついて勝手に席を決めたりする。当然2人の関係を知らない同僚は唖然。2人のための宴席でもないのに勘違いも甚だしい。
【相手の時間に合わせて帰宅】
相手が残業しなければならないときは自分の仕事は終わっていても会社でダラダラ過ごし、無駄な残業代を会社に負担させる。
相手が定時に帰宅できる日は仕事が残っていても放置して一緒に帰宅。
仕事しに来ているんじゃないんですかね?
【仕事中に無駄話・相手をニックネームで呼ぶ】
職場ではどんなに親しい同僚でもニックネームやファーストネームで呼び合うなんてありえない。
名字(姓)で呼び合いますね。
うっかり普段のデートの時のなれなれしさが出てしまうのでしょうか。
それだけでなく、わざわざ相手の席まで出向いて仕事と関係のない話で盛り上がったり…周りから自分たちが浮いていることが分かっていないのですね。
正直、仕事に集中しているときの雑談はウザイ。
【給湯室で階段の踊り場で…⁉】
人目をはばからず…ですか?いえいえ、見ている人は見ています。
2人は付き合っている⁉なんていう噂が立てば、何気に時間差で職場を抜けても、あの2人今どこで何してるの?みたいな感じで詮索。立派な職場放棄です。
どうでしょう?
恋は盲目と言いますが…よほど2人にけじめがないと、もう彼らの頭の中は2人で会う時間を作る事だけになってしまい、業務はおろそかになるは、周りに迷惑は掛かるは…。
同僚の口から彼らに忠告したくても、「嫉妬してるから言うのか」とか、「あなたには関係ないでしょ」なんて言われかねませんね。
ここは、会社としての「圧」をかけるためにも、上司に注意してもらうのが一番効き目がありそうです。
彼らのやっていることはほぼ給料泥棒です。
人の恋路を邪魔するゲス上司にならない注意の仕方
上司たるもの、部下に指導が必要な時のモノの言い方には気をつかうことも多々あります。
何も社内恋愛に限ったことではなく、業務遂行上不都合が生じるようなこと、直してほしいことが生じた時、あなたはどんな伝え方をしているでしょう?
今の若い社員たちは結構繊細なのか、そんなつもりはなくてもちょっと強い言い方に敏感に反応して“パワハラ”扱いされかねません。
怒られてずっと引きずり…挙げ句、それが原因で出社できなくなった、なんていう事例もままありますね。
そこまでいかなくても、「プライベートなことにまで口出しして!ウザイ上司!!」などと、上司としての信頼を失い、注意したがためにもっと不信感にまみれた険悪な雰囲気が職場を覆ってしまう危険すらあります。
恋愛すること自体が悪いわけではないのですし、出来たら2人に幸せになって欲しい気持ちもあなたには十分にあることを伝えつつ、崩壊しそうな職場の雰囲気も救わなくてはなりません。
そこで、ある心理学を応用した方法をアドバイスしましょう。
アメリカの心理学者、アロンソンとリンダ―が報酬効果の心理実験を行ったことから得られた結論です。
相手をけなしてから褒める
ヒトは、好印象を持った相手を信頼するものです。
つまり、コミュニケーションにおいて嫌な印象を持ったまま終わると、相手はイヤな印象だけが脳裏に残り、肝心な伝えたかったことは印象には残ってくれないようなのです。
「最初に相手を精いっぱいヨイショして持ち上げておけば話の最後にキツーイお灸をすえてもOKだな⁉」はNGです。
なぜなら、ヒトの印象に残るのは話の最後、どうシメるか、にかかっているのです。
褒めて最後にけなすよりも、最初にけなして最後に褒めるヒトに相手は好印象を持つという結果が先の心理学者の実験で明らかになりました。
だとすれば、あなたの2人に対する注意の仕方もこの方法をとってみる価値はあります。あなたはまず「職場から色々な苦情が出ている、このままでは業務に支障をきたす、職場ではけじめをつけてほしいこと」を率直に話し、その後で「あくまでも2人を大切な部下と考えていること、出来れば2人の幸せな将来も見据えて応援していること」を温かく説得です。
まとめ
いかがでしたでしょう?
上司とは嫌な役回りが多いものですが、職場全員のモチベーションを下げないようにするための、社員の最後のよりどころです。
部下同士では角が立つ話でも、上司のあなたが上手に話せばお騒がせの2人にも伝わりますし、一番平和的です。
ぜひお試しください。