会社1年目といっても綺麗に経営したいもの。
ですので、「自転車操業」なんて絶対したくない、と思ってませんか?
自転車は走るのをやめれば倒れてしまうところから》資金の借り入れと返済を繰り返しながらかろうじて操業を続けること。また、そのような経営状態。
引用:https://kotobank.jp/word/自転車操業-521972より
その考え、間違ってますよ。そのままだと、あなたの了見は狭くなってしまうでしょう。
実は自転車操業は悪いことではないのです。逆に良いことだらけですよ。
ではなぜ、いいことだらけなのか。筆者の実体験を交えながら解説していきましょう。
目次
自転車操業を続けると融資枠(可能性)が広がる
自転車操業は悪いことだらけと言うイメージがありますが、個人的にはそうは思いません。
何故かと言うと「融資枠」を拡大することができるから。
借りては返すというキャッシュフローをなんとか維持していくのが自転車操業です。
確かにやっている本人からすると辛いものですが、会社としての体力はついていきます。
自転車にずっと乗っていると、自分の体力がついていくように、自転車操業をしていくと会社の体力もつくのです。
融資枠が拡大されるメカニズム
具体的に「会社の体力とは何か?」と言うと、冒頭でもお伝えした通り、銀行の融資枠が拡大されます。
銀行はたくさん借りて、すぐ返してくれる人、間違いなく返してくれる人を好みます。
自転車操業を続けていくと、必然的にそうならざるを得ないので、毎日辛い日々が続いていきますが、自然と融資枠は拡大されていくと言うわけ。
クレジットカードを使っていると、最初のキャッシング枠が100,000円だったのに、気づけば100万になっていると言う事例は少なくありません。
クレカの限度額が上がったってお知らせが来て「こんな俺を…信じてくれるのか…?」ってなった
— 珊瑚ま (@sango_ma) May 17, 2019
銀行の事業融資もクレジットカードと同じです。
限度額1,000,000円で何とか回していたのを、自転車操業のおかげで2,000,000円まで借りれるようになるのはそう遠くはないでしょう。
200万円になれば、次の月の分まで担保されるようになるので、自転車操業が少し楽になります。
ただ売り上げが抜群に上がると言うわけでもないので、結果的に自転車操業が続くはず。
だけども、借りては返してを繰り返しているので2,000,000円→3,000,000円→4,000,000円と、融資枠はどんどん拡大していきます。
自転車操業で金利もお得に
自転車操業を続けていくと、助かるのは融資枠だけではありません、なんと金利も減っていきます。つまりは今まで払っていた金利分よりも安くなるので、あなたが損するお金が少なくなると言うわけ。
金利は経費に入れることができます。
事業を始めるにあたり、借入れなどをしていた場合には、原則として支払利息を経費で落とすことができます。
借入れして返済しているものなのに、経費で落とすことができるのか、と驚かれる方もいらっしゃいますが、借入利息のみ経費で落とすことが可能です。
借入れの元本に関しては、経費計上することはできませんので、借入れの支払利息のみ経費で落とせると覚えておきましょう。
引用:http://www.tax48.jp/wp/2018/10/12/事業で借入れした場合の利息は経費で落とせる/より
そのため、あまりにも安くなるのは困ると言う人もいるでしょう。
しかし、自転車操業している会社からすると、月々の固定の支払いを少なくなることほど嬉しいものはありません。
仮に1,000,000円借りて、金利が1%でも安くなるのであれば、毎月の支払いは10,000円も安くなります。
筆者もそうだったのですが、この10,000円がその月を生き残れるかどうかを左右することも。
個人事業主だと「あるある」ですが、零細企業であったとしても10,000円が左右することなんて結構あるのです。
地方銀行だと金利が低くなりやすい
もちろん自転車操業を続けていって、金利が低くならない銀行も存在します。
しかしそんな銀行はメガバンクのみ。零細企業が使う「地方銀行」だと話は別です。
新聞やニュースなどで取り上げられることが多い「メガバンク」。実は、法律などで明確な定義があるわけではありません。一般的に「3メガバンクグループ」といえば、三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループを指します。ここにりそなホールディングス、三井住友トラスト・ホールディングスが加わると「大手銀行5グループ」、さらに新生銀行、あおぞら銀行が加わると「大手銀行7グループ」と表現されることがあります。
(中略)
地方銀行は地銀とも呼ばれ、「全国地方銀行協会」の会員で、各地方や都道府県内を営業基盤としている銀行。法律上は都市銀行と同じ普通銀行となります。本店のある都道府県を中心に支店を置き、個人や地域企業といった地域に密着した取引先の多様な金融ニーズに応えるのが特徴で、地域振興や街づくりなど、地域金融の主導的な役割を果たすのも大きな役割のひとつです。
引用:https://job.career-tasu.jp/finance/articles/001/より
地方銀行の場合は大手のメガバンクよりも、何とかいろんな人に借りて欲しいと言うスタンスが強く、融資枠を拡大するにつれ、金利が安くなる傾向も大いに見られます。
逆を言えば、今から事業融資を目論んでいる人は、融資枠を拡大しやすく、金利も安くなりやすい地方銀行を使った方が良いでしょう。
地方銀行から借りまくって「レッツ自転車操業」
世間的に悪いイメージがあるものには、なかなか手を付けたくないと思いがちです。
しかし悪いイメージがあるものこそ、あなたは生き残る術が隠されているものなのです。その1つが自転車操業。
自転車操業は借りては返すを繰り返す、苦しい方法ではありますが、苦しいが故に気づけば相当な融資枠を獲得できています。つまり、良い未来が待っています。
- 自転車操業はやってはいけない
- 会社としては避けなければならない
・・なんて凝り固まったイメージに左右されることなく、手を出してみてはどうでしょうか。
筆者もいまだに自転車操業中
筆者も会社1年目から自転車操業をやり続けましたが、銀行の融資枠も広がって、今ではかなりゆったりとした自転車操業になっています。
やめようと思えば自転車操業も止めるところまで来ましたが、せっかくここまで増やした融資枠をもっと増やしたいと言う欲にかられています。
つまりは、借りなくてもいいお金を借りている、というわけ。
銀行との太いパイプを作ったと言う点でも、自分の選択が間違っているとは思いません。
ちゃんと銀行から借りよう
ただ1つ、注意しなくてはいけない点があります。
もし自転車操業するのであれば、きちんと銀行から借りましょう。
零細企業であれば、親や知り合いから借りる場合もあるでしょうが、これでは無意味。
融資枠を拡大できるところか、変な「借り」まで作ってしまうので、もし借りるのであれば銀行を使うようにしましょう。
以上「【自転車操業のすゝめ】ぎりぎりの資金繰りがプラスに働く理由とは」でした。