今や全ての老若男女が一人一台スマホを持つ時代。
電話だけでなく、LINEやメールなどSNSのツールが増え、ひと昔前の一家に一台の黒電話の時代はもはや歴史物語となりつつあります。
今新入社員として活躍している世代の人たちは生まれながらの「デジタル世代」。
学生時代からスマホを駆使して仲間との絆を深めてきた世代ですね。
離れていても仲間の顔を認識しながら自分の好きな時間に好きな空間でコミュニケーションしてきた新入社員世代にとっては、職場の固定電話ほど得体のしれないものはないでしょう。
職場で顔の見えない相手からの電話にうまく対応できないとする「電話恐怖症」について、TVの朝の情報番組での放送をきっかけに共感するツイートが急上昇。
そこで当記事では、新入社員に共感を呼ぶ「電話恐怖症」とは何か、原因となる背景、対策についてまとめています。ぜひご覧ください。
目次
急増中!「電話恐怖症」とは
電話が鳴ると不安や緊張のため電話を取りたくない、取ってもうまく対応できないとする症状が「電話恐怖症」です。
「あ、それわかる!」という共感のツイートが急増中の症状で、例えばこんなことが起こるのだそうです…
✓周りの上司や同僚に監視されている気がして緊張
✓極度の緊張から声が震える、言葉をかんでしまう、言葉が出てこない
✓電話の相手の話を聞きとりながらメモを取るのが難しい
✓集中していた仕事を中断させられイラっとする
✓そもそも電話の相手が早口だったりすると、言っている名前・言葉が聞き取れない
✓聞き取れず何度も聞き返し相手を怒らせてしまう
✓女性である自分が電話に出ると相手からあからさまに見下したものの言い方をされる、セクハラまがいのことを言われトラウマに
✓保留にして別の社員に取り次がなくてはならなかったのに、あわてて電話を切ってしまった
…こんな感じで調べるとまだまだ出てきます。
電話で苦しんだあなたには、あなたの独特の苦手があると思います。
新入社員になると必ず「まずは電話応対」という道を通らなければならないのはどの職場でも同じですね。
しかし、この「電話恐怖症」のために気にしすぎてウツになった、退職して電話応対を極力しなくても良い職場に転職したという思い切った行動に出た人もいるほど。
いったいなぜ、最近の新入社員に「電話恐怖症」が多いのでしょうか。
「電話恐怖症」急増の原因
ちょっと前の日本は『サザエさん』のアニメにあるような一家に一台黒電話が設置されているだけで、家族全員でその一台を共有していました。
友人や恋人の電話であってもそこにかかってきますから、当然自分以外の家族が電話を取り、自分が電話まで呼び出されて家族の前なのに秘密の会話をしなければならない時代もあったわけですね。
今考えると、よくもまぁそんなこっ恥ずかしいことをしていたもんだと我ながら呆れます。
しかし今は一人一台のスマホの時代。
好きな時間に好きな場所でコミュニケーションが取れます。
例え家族や他の友人一緒にいても、メールやLINEで連絡を取り合うようになったおかげで誰と何のやり取りをしているのかがバレなくなりましたね。
しかも、文字に残っているおかげで聞き返したり情報漏れもなく、メモを取りながらなんていう手間もないわけで。
恥ずかしさと聞き逃しというデメリットが一気に解決した形になります。
生まれながらにして、こういったデジタルデバイスに囲まれて育った新入社員世代にとっては、ごく当たり前の通信手段だったところに、一気に時代を遡るような固定電話は、もはや電話というより別次元の得体のしれない機械ということになるのも納得です。
40~50代の管理職の世代は、「自分も新入社員の頃やってきた事だから」「いつかは慣れる」と根性と精神論で押し切ろうとするでしょうが、「慣れ」の問題ではなく固定電話を知らないということに管理職世代の方々は気づいていません。
あたかも学んだこともない外国語を使う海外に突然放り込まれた日本人とあなたは同じ苦しみかもしれません。
実はちょっと前の世代の人も固定電話は苦手
ここまでお話しするとしょせん上司なんかには自分の苦しみなんかわかるわけない、と残念な気持ちになるでしょうが、この固定電話というもの、「正直嫌い」という嫌悪感を持っている人は世代を問わず結構います。
それは職場だけでなく家庭の固定電話でも事情は同じ。
え、家庭でも?と思われるかもしれませんが、例えばかかってくる電話から過去に嫌な記憶がよみがえったりすることはありませんか?
ドラマなどでもよく見かけますが執拗な嫌がらせ電話、親族の不幸の知らせ、元気で過ごしているはずの子供の学校からの突然の電話、借金取りの督促などなど、あわててトイレに逃げ込んだり、電話線を思い切り抜いたり、なんていうシーンを見たことがあります。
電話のベルが鳴るたびに「誰からの電話?ひょっとしてまた何かあったら⁉」とビクビクする気持ちはよくわかります。
「電話恐怖症」を少しでも軽くするために
■「誰からの電話か」をつかむ
新入社員であっても一般の家庭であっても、要するに「誰からの電話か」が分かると手の打ちようや、心の準備も出来るというものです。
スマホはこの点、誰からの電話かがすぐわかりますから心に余裕があるわけですね。
声だけでどこの誰かがわかるようになるまではまだまだでしょうから、電話の手元に頻繁に電話の来る取引先の電話番号は一覧にしておきましょう。
その際、社内の担当者とセットにして記入しておきます。
「誰からの電話か」さえわかれば、相手の言葉が早口で聞き取れなくて何だかわからなくても社内の担当者にサッサとつないでしまえばよいのです。
■「どういう用件でかけてきたのか」をつかむ
もう一点は、「どういう用件でかけてきたのか」という情報の聞き漏れがなくなれば安心ですよね。
つまりは、出来るだけスマホに近い状態に持っていければ…ということ。
話し言葉はメールの文の様に残ってくれませんからポイントを聞き逃さない工夫が必要です。
おススメはメモ用紙にすでに印刷してあるものも見かけますがあらかじめ相手に聞き出すポイントを項目別に区分してあるもの。
「日時・誰から・誰に・いつまでに・どうしてほしいか」など、あなたの業務内容に合わせてあなた自身が項目作りをするのです。
他人が作ったものはダメで、自分でつくるから聞き出すポイントがつかめるのです。
■CITの導入(管理職の皆さまご検討を!!)
こういった新入社員の苦手傾向をいち早く察知している会社は対応も早いです。
もともとコールセンターのような顧客相手の電話業務専門に使われていたCTIシステムが一般の会社でも導入され始めています。
新入社員の苦手とする「誰からの電話か」が一発でわかる仕組みで、ついでにその顧客情報まで電話を取る前に分かるというもの。
これによっていますぐ取るべき電話かどうかの選別もでき、業務効率のアップする会社が出てきているのだとか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
新入社員の電話恐怖症に会社も新しい対応を余儀なくされています。
1人で抱えこまず、新入社員の皆さんで声をあげて、職場で電話恐怖症改善に向けて話し合ってみるのも良いのではないでしょうか。