現代は、副業を推奨している会社もある時代です。公務員や学校の教員、医師も副業をする時代になりました。
しかし、会社によっては副業による本業の情報漏洩や、本業がおろそかになってしまうことを懸念し、禁止しているところもあります。
夜勤のある仕事の中には、「日勤→日勤→夜勤→明け→休み→休み」というローテーションで毎日が続くものもあり、明けの昼間から次の二連休を入れて、三連休という考え方もあり、旅行に行く人もいます。
それなら、副業を入れても大丈夫ということのようですが、会社は「明け」の翌日は体内時計を戻すためのもので、遊びや副業を入れるものではない、ということなのでしょう。
確かに、副業を紹介している本やサイトでも、副業の時間が長く睡眠時間が削られてしまう、そのため本業で居眠りが出てしまった、というトラブルも聞きます。
本業がいい加減になってしまったり、おろそかになってしまったら、会社側も許すことはできませんね。
それでも、副業がないと生活が成り立たない、お小遣いが出ないといった悩みを持つ人にとって副業は大切です。そこで、副業が会社に知られてしまった時の対処法をお話しましょう。
目次
会社に副業がばれたとき
副業禁止の会社に副業がばれたら、どうなるのでしょうか。
そして、どうしたらよいのでしょうか。
どんな時に副業がばれてしまう?
会社に副業がばれる、一番の原因は本業への仕事に支障が出てしまうことです。
また、急にお金の使い方が変わってしまった、残業をしなくなったというのも原因になります。
そして、副業によっては源泉徴収がでますので、年間20万円を超えると年末調整はせず確定申告となります。医療費控除や住宅の購入による確定申告は、源泉徴収票が出てからになるため、年末調整をします。
年末調整をしない、ということは「うっかり忘れた」「ふるさと納税をした」という理由もありますが、何かあると思われる原因にもなります。
法律的には禁止ではない
現在、日本の法律では副業を禁止していません。副業・兼業については次のように定めています。
(副業・兼業)
第67条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。
3 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、会社は、これを禁止又は制限することができる。
① 労務提供上の支障がある場合
② 企業秘密が漏洩する場合
③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
④ 競業により、企業の利益を害する場合
2018年に、厚生労働省では副業に対する法律の改正として、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成し、「モデル就業規則」から副業禁止規定を削除しています。
そのため、副業をすることで法律違反にはなりません。
これは、学生の校則のようなものです。高校生が16歳になったからと言って「アルバイト禁止」「バイク等の免許取得禁止」といったことがあります。
この場合は、法律違反ではありませんが、校則違反となりバレれば、処分、最悪「退学」となります。
しかし、たいていの学校は謹慎処分や親を呼び出しての厳重注意、大学推薦からの除外となります。そこで、アルバイト禁止の学校でも届け出をすれば可能という学校もあります。
それは、会社も同じです。
本来、就業時間以外はプライベートの時間です。その時間を活用して副業を行ったとしても法律違反で罰せられる方が不自然です。
実際に、日本でも兼業農家というのは多いです。
本業はサラリーマンだけれど、土日や田植えの時期は農家をする、という人は珍しくありません。おそらく、副業禁止、という会社でさえこういった事例は、禁止にすることはできません。
そのため、法律上、副業が理由で解雇や懲戒処分を受けた場合、その処分は無効となる可能性はあります。ただし、配属先が変わったり、ボーナスの査定に響く、厳罰になることはあるかもしれません。
ばれないための対処法
副業が会社にばれる原因になる「噂」に注意しましょう。
まずは、どんなに親しい人にもうっかり話すことはやめましょう。
テニスのコーチなどでうっかり出会ってしまったら、「趣味の延長で頼まれた」程度にしておきましょう。
1日だけの短期のアルバイトの場合は、会社側が源泉徴収を出しません。イベントや試験監督のような副業は税金の対処が必要ないため、住民税の対象にもなりません。
住民税の項目を「特別徴収」で申告せず「普通徴収」で申告するのも、会社の労務や経理に疑問を抱かせない対処法になります。
ばれても対処の必要がない副業
副業が禁止されている会社でも、さすがに処分の対象にならない副業もあります。
こういった副業なら、皆さんも安心して副業をすることができますね。
そんな都合の良いものがあるのか、と思うかもしれませんが、確かにこういった副業は会社にとっても、あまりデメリットにはなりません。
それは、どんな副業でしょうか。
有価証券の運用
株や国債、外貨の運用は副業の中でも、まったく問題のない副業です。もちろん、仕事中に株価の動向などに気を取られていては、問題視されてしまいます。
しかし、国債や外貨、安定株を持っているため、一定の配当金が支払われる、どうしてもたくさんのお金が必要な時は、手放すということなら、ほとんど会社でばれても処分の対象になるものではありません。
仮想通貨も同じです。
こういった収入は「実収入」ではなく「実収入以外の収入」になりますので、副業とみなされません。
モニター収入
基本的に、ネットを利用した収入のほとんどは、会社にバレない、バレても処分の対象になることはない、収入です。
例えば、モニターやブログ発信は、収入に結びつくことがあり本業にする人もいますが、副業で収入を得てもほとんど会社にバレるようなことはありません。
特にモニターの場合は、アンケートに答えたり、年に数回の意見交換会などの出席、新商品の試作とアンケート回答が仕事になります。
普通の生活の中でできるものがほとんどになるため、大きな収入にはつながらなくても、たくさんのアンケートに答えることで、月に数千円から数万円につながるため、収入ではありますが、会社側からは副業と見られていません。
財産の転売
フリマアプリで、不用品を販売するのは副業となりません。
私たちがあまり気にかけていない副業ですが、おそらく最も儲かるのが「土地」の転売です。親の代から持っていた土地に道路が通る、線路が通るとなると億単位の収入が入ります。
また、販売しなくても「土地を貸す」「アパートや借家にして貸す」という賃貸収入・家賃収入もあります。
これも副業ですが、会社にばれたからといって咎められるものではありません。
まとめ
会社勤めの人が本業を第一に考えるのはあたりまえのことです。
しかし、どうしても副業をしなければならないということもあります。
原則禁止になっていても、許可が出ることもあります。
また、会社には労働組合というものもあります。労働組合は、会社で働く労働者を守るためにあるものです。
しかし、会社も団体である以上、団体活動の支障になることは適正とは言えません。
収入を得ることで、生活が豊かになり気持ちにも余裕が出ることが会社にとってもプラスになる副業もあります。休日に気分転換になる好きなことを活かす副業もあります。
副業はあくまでも副業です。会社にばれたらどうしよう、と考える以前に会社に迷惑をかけない、ということを前提にしましょう。
これは、副業を推奨している会社でも同じです。
どんなに楽しい副業でも、お金に困っている時でも、本業に迷惑をかけてしまうと本業からペナルティを受けることもあります。
一生懸命にお金を稼いでもボーナスの査定がマイナスになってしまったら、本末転倒かもしれません。
副業をする時は、会社にばれる心配よりも、あくまでも本業を優先することを第一に考えて行うことを忘れないようにしましょう。