裁判といえば、「出廷」ですよね。ドラマで見る、あの場所です。
会社設立1年目の企業だとしても、もし訴えられたら、あんなに大々的に裁判が行われると思いませんか?
しかし実は違うんですね・・。ご安心ください。出廷なんてしなくても裁判はできますし、勝てます。
では具体的にどうすればいいのか、紹介していきましょう。
なお、今回は以下の記事を読んだあとにチェックすると、理解が深まると思います。
会社設立1年目で訴えられた時、まずどうすればいいのか解説していますので、もしよろしければチェックしてみてください。
目次
出廷しなくても裁判は進められる
裁判と言えばどのようなイメージをしますか?
法廷に立って、いろいろな証言をし、様々な人から見られるというイメージがありますよね。ドラマでよく見るシーンです。
しかし現実には、そのような事はしなくても大丈夫。具体的に言いますと、出廷しなくても裁判を勧められます。
弁護士が代理人になると「おまかせ状態」に
どうすれば、裁判所に出廷なしに裁判を進められるかというと、1番簡単なのは弁護士を雇うこと。
裁判の期日は弁護士が出廷するので,ご本人は原則として尋問期日を除いて出席する必要はありません。
引用:https://www.ban-lawoffice.com/newpage2.htmlより
弁護士はあなたの代理人になってくれます。ですので、前回の記事でも紹介したように、出廷日が決まったとしても弁護士が行ってくれます。
つまりは平日に出廷日が決まったとしても、弁護士が代わりに行ってくれるというわけ。
もちろん出廷日が決まってからだと、弁護士もバタバタして受け取ってくれないことが多いので、訴状が来た瞬間に弁護士を雇うと良いでしょう。
弁護士に要求される書類を用意するだけでOK
弁護士を代理人にした場合は、ものすごく裁判の流れは簡単です。弁護士に要求された書類を用意するだけでオッケー。
民事訴訟は非常に書面を重視する手続です。口頭で裁判官に説明したいと思っても主張を書面にして提出することを促され,きちんと聞いてもらえません。口頭では曖昧な部分が残るし,裁判官は非常に多数の事件を抱えているので口頭で聞いたことを覚えていられません。また,訴訟中に裁判官が異動で交代してしまうことがよくあるので,形に残らない口頭での説明はあまり意味を持たないからです。
そのため,その回に提出する書面の確認と次回までに提出予定の書面の内容を確認するくらいで,期日が5分もしないで終わってしまうことはめずらしくありません。
引用:https://www.ban-lawoffice.com/newpage2.htmlより
どうすれば裁判に勝てるのかというのを弁護士が考えてくれて、「このような書類があったら用意してください」と言われます。
例えば、お客さんとの契約書類・お客さんと交わしたメールの文面などを要求されます。
場合によっては、ボイスレコーダーで音声を録音していないかどうかなどと聞かれることも。
要求している書類を全て用意できれば、ほぼ100%負ける事はないでしょう。
弁護士なし・出廷なしで裁判はできる
弁護士に依頼した場合、1案件あたり十万円以上のお金が取られます。
期日が15回,提出書類が主張書面10通,証拠提出40通とすると・・・
旅費・・・300円×15日=4500円
日当・・・3950円×15日=5万9250円
書類・・・1500円+1000円+1000円=3500円
印紙・・・3万円
郵券・・・5000円
合計・・・10万2250円
となります。これをしっかり相手に請求しないと10万円以上損することになるわけです。結構,大きいと思いませんか?
引用:https://ace-law.or.jp/column/法律豆知識/民事訴訟費用とは何か?/より
つまりは顧客とのバトルを解決するために、相当なお金を支払う必要がある、というわけ。そんなお金ないと思う人も多いでしょう。
そんな人にオススメなのは、弁護士なし・出廷なしで自分の力だけで戦うということです。
「裁判になったら,毎回法廷に出なければいけないのですか?」と聞かれることがある。
実は,民事事件では,常に裁判所まで出頭しなければいけないかというと,そうでもない。一方,刑事事件で出頭せずにすむのは,軽微事件など例外的な場合に限られる。今回は,民事事件に絞って出頭せずにすむ場面を紹介しよう。
まず,(民事の)ほとんどの当事者は,判決期日にわざわざ法廷まで来ない。民事事件の判決は,当事者が出頭しなくても言い渡される(民事訴訟法251条2項)。当事者席に誰もおらず,裁判官,書記官と事務官しかいない法廷でも,裁判官は判決主文を読み上げている。
次に,民事事件では,最初にすべき口頭弁論期日に限り,どちらかが出頭しなくても,答弁書や準備書面等さえ提出しておけば,出頭してその内容どおり陳述した(書面に書いたとおりの発言をした)ことにしてくれる(民事訴訟法158条)。特に被告側だと,第1回の口頭弁論期日は都合などお構いなしに一方的に指定されているから,これを利用して1回目は不出頭のまま乗り切ることも多い。
引用:http://sola-lawyers.jp/wp/uncategorized/2011/09/19/290.html
このように弁護士なし・出廷なしでも裁判はできます。準備書面という書類と証拠を使って戦うのです。
相手の証言が正しくないことを証明せよ
出廷なしで戦う場合、準備書面と証拠を使って戦うことになります。
準備書面(じゅんびしょめん)とは、日本の民事訴訟において、口頭弁論での主張の準備のために、自らの攻撃防御方法(自らの申立てを基礎づける主張)並びに相手方の請求及び攻撃防御方法に対する陳述(答弁、認否、反論等)を記載した書面である
引用:「準備書面とは?」より
少しゲーム的な要素になりますが、相手の証言が正しくないことを証明する物証を用意するのです。
物証でないと無意味
これは個人的経験則ですが、「相手はこう言っていた!」等を事実だけを主張しても、絶対に勝てません。その発言をしていた「物証」を用意しなくてはいけないのです。
メールやチャットの文面でもいいですし、ボイスレコーダーの録音でもいいです。
もしくは相手に書いてもらった紙、相手と契約した契約書などで、発言したという裏付けを用意しなくてはいけません。
【総評】民事は淡々と裁判がすすむ
裁判には刑事訴訟と民事訴訟があります。
顧客とのトラブルになった場合、民事訴訟になるのですが、マスコミに取り上げられるような大々的な裁判にはなりません。
上記で説明した通り、書類で戦うことになりますし、弁護士VS弁護士で、自分たちは一切関わらずに淡々と勝手に裁判が進むことも少なくないです。
マスコミに取り上げられることもない
これも勘違いされている人は多いですが、顧客に訴えられたからといって、マスコミに取り上げられることなんてありません。
ネットニュースになることもありませんし、世間に自分が訴えられたなんて知られる事はほとんどありません。
だからこそお客さんに訴えられたとしても、下手に怖がることなく淡々と対応するようにしましょう。
ゲーム感覚で楽しむのもアリ?
少し不謹慎かもしれませんが、裁判というものは非常にゲーム性が高いです。自分でやると余計にそれを感じます。
相手の証言を無償で崩すという書類の出し合いになりますからね。楽しめとはまではいいませんが、経験値を積むと思ってしっかりと向き合ってみてはどうでしょう。
なお、裁判の判決や賠償金の行方については以下の記事で紹介していますので、ご一緒にチェックしてみてください。
以上「出廷しなくても裁判には勝てる?いち個人が弁護士に勝つには?」でした。