ビジネスの世界に多種多様に存在するビジネスマナー。
「座る」という動作にも必ずついて回ります。
有名なのは、レストランや飲食店、会議室や応接室での上座・下座の席次ですよね。
さらになんと、タクシーに乗車するときも席次に関するビジネスマナーが存在するのです。
そこで、ここでは、タクシーにまつわるビジネスマナーを、座席以外のマナーにも触れつつご紹介したいと思います。
目次
ビジネスマナーの基本!タクシーにも上座・下座がある!
ビジネスマナーの基本と言えば上座・下座。実はタクシーにも存在するのです。
まずは、上座・下座、席次について簡単に説明しておきます。
上座は、その部屋・空間において最も快適に過ごせる席で、目上の人やお客様が座ります。
下座はその逆で、目下の人やもてなす側が座る席です。
部屋・空間にある席には順番がつけられていて、それを席次と呼びます。
タクシーの上座は?
タクシーの上座は、上座は運転席の真後ろの席で、何名で乗車しようが、車種が何であろうが固定です。
運転席の真後ろが一番安全だと考えられているからです。
タクシーの上座以外の席次は?
タクシーの上座以外は、乗車人数や、車種によって席次が変わります。
ここでは、数字が小さいほど上座です。
2人で乗車する場合
- 運転席の真後ろ
- 助手席の真後ろ
- 後部座席の中央
- 助手席
2人で乗車する場合は、「1.運転席の真後ろ」にお客様や上司、「4.助手席」に自分が座ります。
ただし、お客様や上司から後ろに座るように指示された場合は、「②助手席の真後ろ」に座ってもよいとされています。
3人で乗車する場合
- 運転席の真後ろ
- 助手席の真後ろ
- 後部座席の中央
- 助手席
3人で乗車する場合です。
後部座席真ん中は狭いですから、この場合は、一番偉い人が「1.運転席の真後ろ」、次に偉い人が「2.助手席の真後ろ」、一番目下の人が「4.助手席」に座るようにしましょう。
4人で乗車する場合
- 運転席の真後ろ
- 助手席の真後ろ
- 後部座席の中央
- 助手席
4人でタクシーを利用する場合は、1~4順番に偉い人から座らせましょう。
5人で乗車する場合
5人以上で乗車する場合、バンなどの3列シートタイプのタクシーを利用することになります。
- 運転席の真後ろ
- 助手席の真後ろ
- 2列目後部座席の中央
- 助手席
- 3列目後部座席の右側
- 3列目後部座席の左側
上記6箇所の座席がある場合、「3.2列目後部座席の中央」を除いた5箇所を上から順に偉い人から座らせます。
3列シートの場合は、乗降車がしにくいことから最も後部の座席が下座です。
6人で乗車する場合
- 運転席の真後ろ
- 助手席の真後ろ
- 2列目後部座席の中央
- 助手席
- 3列目後部座席の右側
- 3列目後部座席の左側
1~6まで上から順番に偉い人から座ってもらいましょう。
以上、タクシーにも存在するビジネスマナーの基本、上座・下座について解説しました。
次に、タクシーで目下の人がするべきビジネスマナーをご紹介しましょう。
タクシーで目下の人がするべきビジネスマナーとは?
タクシーで目下の人がするべきビジネスマナーとはなんでしょうか。
- タクシーを止める
- 荷物を預かりトランクに乗せる
- 最後に乗車する
- 運転手に行き先を伝える
- 脚を組まない・広げない
- 会話をする
- 停車位置への配慮
- 精算をする
- 領収書をもらう
- 忘れ物の確認をする
- トランクの荷物を下ろす
タクシーを止める
目上の人やお客様がスムーズに乗車できるよう、あらかじめタクシーを捕まえておきます。
ただし、その際タクシーの運転手も待たせすぎないのがマナーです。
荷物を預かりトランクに乗せる
タクシー運転手が乗せてくれる場合もありますが、基本的には目下の者が率先して動きましょう。
最後に乗車する
誤ってドアが閉まることのないよう、ドアを持って乗車を待ちます。
目上のひとやお客様が無事に乗車したことを確認し、最後に乗車します。
運転手に行き先を伝える
駅や大きな施設であれば問題ありませんが、場合によっては住所をあらかじめ用意しておかなくてはいけません。
おおよそのルートや所要時間も把握できていると良いでしょう。
脚を組まない・広げない
座り方も大切なビジネスマナーの一つです。
たとえ後部座席から見えない助手席に座っていたとしても、マナーをきっちり守りましょう。
会話をする
閉鎖的な空間であるタクシーで無言が続くと息苦しいですよね。
適度な会話も必要になります。
ただし、タクシーの運転手の存在を忘れてはいけませんよ。
停車位置への配慮
雨の日や周囲の安全を考慮して停車位置を決めます。
特に雨はできるだけかからない方が望ましいので、雨除けや屋根があるところを選ぶのがベターです。
精算をする
精算をする前に、目上の人やお客様には先に降車してもらいます。
そして、時間のかからないできるだけスマートな精算方法をとりましょう。
キャッシュレス決済はとてもスムーズですよね。
領収書をもらう
ビジネスにおいてタクシー代は経費処理とするため領収書が重要です。
忘れずに発行してもらうようにしましょう。
忘れ物の確認をする
自分の手荷物だけでなく、目上の人やお客様の座っていた座席も確認します。
トランクの荷物を下ろす
積み込む場合と同様、タクシー運転手が下ろしてくれる場合もありますが、率先して動くようにしましょう。
以上、タクシーで目下の人がするべきビジネスマナーをご紹介しました。
最後に、タクシーのビジネスマナーにおける重要なポイントをお伝えします。
タクシーのビジネスマナーには臨機応変に対応するのがスマート!
タクシーのビジネスマナーのポイントは臨機応変に対応することです。
例えば、以下の場合が挙げられます。
- レディファースト
- 先方からの申し出
- ケガなどに対する配慮
レディファースト
セダンタイプの後部座席の真ん中の座席の足元は少し高くなっていて女性には座りにくいです。
また、男性に囲まれた座席も、変わってあげた方がスマートですよね。
先方からの申し出
2人乗車の場合には、会話がしづらいことから先方から後部座席へ座るよう申し出があることがあります。
その場合は、助手席の真後ろに座りましょう。
また中には、上座は奥の座席で乗降しにくいため、嫌がる人も居ます。
先方の意向がある場合はそちらを優先しましょう。
ケガなどに対する配慮
ケガをしていたり不自由がある場合には、奥へ座ることが困難な場合もあるでしょう。
どんな場面でも、ビジネスマナーを理解した上で、さらにお伺いを立てたり特殊事情に配慮ができる姿勢は素晴らしいといえます。
この臨機応変さをビジネスシーンで発揮できると、とてもスマートな印象を与えるでしょう。