1月14日、東京地検特捜部は日本でのカジノを含む統合型リゾート施設事業で、これまでに汚職事件を起こしていた秋元司衆議院議員が再逮捕されました。
逮捕の理由としては、事業参入をしようとしていた中国企業側から現金200万円を含む賄賂を受け取ったとみられます。
さらに秋元容疑者は中国企業側から現金300万円などの賄賂を受け取ったとして、収賄材で起訴られています。
目次
そもそもIR汚職とは?
秋元衆議院議員の逮捕がIR汚職と呼ばれていますが、そもそもIR汚職とはなんなのでしょうか。
IRとは「Intergrated Resort」の略で、統合型リゾートのことを指しています。統合型リゾートとはカジノやホテル、国際会議場、ショッピングモールが集まった複合型の施設です。
複合型リゾート(IR)は観光客を集められるため、施設がある地域が活性化するのに加えて、施設の建設や運営をするために雇用が生まれるメリットがあります。
今年は東京オリンピックがあるため、統合型リゾートを早く完成させて、利益をあげることで景気の落ち込みを防ぎたいため、政府は統合型リゾートを早くオープンさせたい狙いがあるようです。
この統合型リゾートを担当しているのが、今回再逮捕された秋元容疑者でした。秋元容疑者は2017年8月から国土交通副大臣に就任し、このIRを担当し日本の観光先進国の実現を目指していました。
IR汚職の発端は3年前の2017年まで遡ります。
2017年12月、秋元容疑者はプライベートジェットでマカオのカジノ施設を訪れた際の旅費約150万円を中国企業から利益供給を受けていました。
2018年2月には秋元容疑者が北海道のリゾートホテルに宿泊した費用70万円を中国の企業「500ドットコム」が代わりに支払いを行いました。
そのほかにも沖縄で講演を行った際には中国企業から講演料として200万円の賄賂を受け取ったり、中国の本社訪問として旅費約150万円を負担してもらったりと、多額の賄賂を中国企業から受け取っていました。
これに対し秋元容疑者は「講演料は受け取っていない」「旅費は秘書が支払っていると思っていた」と説明しています。
なぜこれほどまでに賄賂を受け取っていたのか?
秋元容疑者はなぜこれほど多額の賄賂を中国企業から受け取っていたのでしょうか。
この問題には中国企業の日本国内への参入が考えられます。
安倍総理はIR事業を東京オリンピック・パラリンピックでの好景気の浮揚策として位置付けていました。
IR事業にはカジノも含まれており、カジノの利益から税金と徴収し、福祉や奨学金などに充てる計画を立てていました。
その前段階として2016年にカジノ法案が成立し、日本でカジノが解禁されることになりました。
カジノ法案が解禁したことにより、日本国内へのIR参入を狙っていた中国企業の「500ドットコム」はIR事業の関係者との関係を深めるようになりました。
おそらくこの時に中国企業から日本のIR事業関係者へ賄賂が渡るようになったのではないかと思われます。
今後IR事業はどうなる?
この世なIR汚職事件が起こっていますが、今後IR事業はどうなるのでしょうか。
IRに関する一連の汚職事件が発生しため、2018年7月より、IR施設の整備区域は全国で3箇所までとする、IRの整備法が成立しています。
北海道で計画中だったIR事業は賄賂問題があり、頓挫している状況です。
秋元容疑者は容疑を否認しており、IR事業はIR汚職事件が解決するまで頓挫すると予想されます。
まとめ
今回はIR汚職と秋元容疑者の再逮捕についてご紹介しました。
IR汚職事件は、カジノ法案が解禁された時から徐々に問題になり始め、IR事業に関わっていた秋元容疑者を筆頭に賄賂を受け取って問題になっていたようです。
今後、東京特捜部がさらに捜査をすすめていき、問題が浮き彫りになっていくのではないでしょうか。
これからのIR事業の展開が気になるところです。