どうも、精神疾患・発達障害を専門にしている心理カウンセラーの泉です。
今日は、実際にいただいたご相談を元に虚言癖の治療法をお伝えしていきます。
↓このようなご相談をいただきました
私は小さい頃からずっと嘘つきで、最近でも自分が大病を患っているだったり、転学するわけもないのに、転学するかもなどという嘘をついて、友達の気を引こうとばかりしてしまいます…。でも、正直本当は嘘をつくのをやめたいです…。でも、嘘をついている時自体に自覚がなく、ポロッと出てしまいます。どうしたらいいかわかりません。虚言癖って治りますか?どうしたらいいですか?
嘘をつくのが無意識の癖になってしまっていて、自分でもコントロールが難しいタイプの虚言癖の方ですね。
じつは虚言癖の方のなかでも、「自分でも意識せずに気づいたら嘘を言ってしまっている」という方は意外と多いのです。無意識の癖になってしまっているからこそ、「ずっと治らないんじゃないか…」と不安に思いやすかったりもします。
でも、大丈夫!適切なステップを踏めばちゃんと治していくことができます。同じような状況に悩んでいる方もいらっしゃると思うので、今日はそんな無自覚に嘘をついてしまう虚言癖を治していく方法をお伝えしていきますね^^
全部で5ステップです。さっそく1つ目のステップからお伝えしていきます!
目次
ステップ①虚言癖を治療する動機を明確にする
いきなりちょっとネガティブですが、今後、虚言癖の改善に取り組む中でモチベーションが持続しなかったり諦めたくなるようなことが出てくると思います。そうなったときに立ち止まらないよう、一番はじめに虚言癖を治す動機を明確にしてみてください。
これ、結構大事で、モチベーションが高いうちに落ちたときのことを考えて対策を立てておくというのはどんな分野でも有効な方法なので覚えておいてそんなはないです!
具体的には、
[aside type=”normal”] ・ウソをついてしまうデメリット・ウソをつかなくなるメリット
・虚言癖を改善してどんな生活を送りたいかを紙やメモアプリに記載してみてください。 [/aside]
で、モチベーションが落ちたとき、虚言癖改善を諦めたくなったときに見返して見てください。きっと「あらためて頑張ろう…!」という気持ちが出てきますよ^^
ステップ②嘘をついている場面を記録する
無意識的に嘘をついてしまうパターンの虚言癖で厄介なのが、嘘をついているその瞬間に”自覚がない”ことです。自覚がないと、対策を打つことも困難になってしまいます。
ですから、嘘をつくその瞬間に「あ、いま噓をつこうとしているな」と自覚できるようになることを目指します。(専門的にはこの自覚すること”セルフモニタリング”といいます)
やり方としては、専用のノートを作って、嘘をついてしまったら、下記を書き出してください。
[aside type=”normal”]・嘘の内容
例:大病を患っている
・嘘をついた相手
例:大学の友達のBさん
・嘘をついた場面
例:サークルの飲み会後の帰り道
・どんな話の流れだったか
例:Bさんと卒業後の進路について話をしていた[/aside]
まずはこれだけでいいので記録をとってください。
30~50個くらい記載できるようになってくると、嘘をつく前に「あ、いま噓つこうとしている」と気付けるようになっていきます。
また、こうやって取ったメモは次のステップでも超有効活用できるので、1週間とか1ヶ月とか期間を決めて取り組んでみてください。噓が多い人ほど早く終えられるワークです^^
ステップ③嘘をついている自分に理由に気づく
行動学習のプロセス
具体的な方法の前に人が行動を学習するプロセスについてお伝えします。このプロセスを理解できると虚言癖の治し方も深く理解できます。
まず大前提ですが、人も動物も自分にとってメリットがある行動しか継続しません。嘘をつき続けてしまうとしたら、そこにはあなたにとってのなにかしらのメリットがあるはずです。
人間が行動を学習・維持するパターンは、
[aside type=”normal”]
行動しやすい環境(”先行刺激”といいます)
↓
行動
↓
ポジティブな結果(”強化子”といいます)[/aside]
です。
噓をついてしまう場合で説明すると、
[aside type=”normal”]
嘘をついてしまいやすい状況
↓
嘘をつく
↓
嘘をつくことで得られるメリット
(注目が引ける・大事にしてもらえる・優越感が得られる…など)[/aside]
となります。
この場合、「嘘をつく=行動」だけをなんとかしようとしてもうまくいきません。なぜなら、嘘をつくことでのメリットを知ってしまっているからです。また、自分にとって嘘をつきやすい環境にずっと身をおいていたら、そりゃあ嘘をついてしまいます。
そこで、「嘘をついてしまいやすい状況=環境」と「嘘をつくことで得られるメリット
強化子」の改善に目を向けていきます。
嘘をついてしまう状況を把握する
まずは、「嘘をついてしまいやすい状況=環境」についてです。
「嘘をついてしまいやすい状況=環境」自体は無くすことが難しくても、自分で「こういうときは嘘を付きやすいな…」とわかっているだけで行動をコントロールしやすくなります。
具体的には、ノートに書き溜めた嘘をついてしまう場面を分析していきます。
まずはざっくり全部読み返してみて、誰に対して、どんなときに、どういう噓をつきやすいのか考えてみてください。
これはざっくりでぜんぜん大丈夫ですが、もしやり方まで指定してほしいということであればKJ法が一番わかりやすいと思います。
嘘の内容・相手・場面・話の流れというカテゴリごとに一つ一つ付箋に書き出していってまとめていくのがおすすめです。
・「嘘をつくことで得られるメリット=強化子」を改善する
「嘘をついてしまいやすい状況=環境」が把握できたら、「嘘をつくことで得られるメリット=強化子」を改善していきます。
具体的には、嘘をついてしまう場面をあらためて確認して、下記を書き出していきましょう。
[aside type=”normal”]
・なぜ嘘をついてしまうのか
・噓をつくことで得られるメリットはなにか
・嘘をついた直後どんなプラスの感情を感じるか[/aside]
ポイントは正直に書くことです。誰に見せるものでもないので、汚い自分も含めて全て出してみてください。
見下すことで優越感を感じれる、とか
かわいそうな自分を演出できる、とか
優しくしてもらえる・心配してもらえる、とか
相手が自分から離れていかなくできる・束縛できる、とか
自分にとって都合の良い行動を相手にさせされる、とか
が出てくると良いです^^もしかしたらちょっと辛いかもですが、ちょっとひと踏ん張り頑張ってみてください!
ステップ④行動計画を立てる
ここまでできたら、あなたは”嘘をつきそうなときに気づく力”と”噓をつく行動をコントロールする力”が得られています。
最後のこの2つの力を活かすための行動計画を立てていきましょう。
具体的には、「あ、いま嘘をつきそうだ」と感じたときにどうするかを決めておきましょう。このときに大事なのが、本当に得たいものを得られる行動を決めておくことです。
例えば、嘘をついてしまう理由が「まわりに優しくしてもらえるから」だったとしましょう。このとき嘘をつく瞬間に求めているものは「その場限りの優しさ」かもしれませんが、本当に得たいものはおそらく「お互いを思い合って、どんな相手でも受け入れられるような関係からくる優しさ」なのではないでしょうか?
であれば、「お互いを思い合って、どんな相手でも受け入れられるような関係からくる優しさ」を得るためには、嘘をつくのではなく、相手への感謝を伝えるという形のほうがよいかもしれません。
もし、「あ、いま嘘をつきそうだ」と感じたとき「感謝の言葉を伝える」ことに違和感があれば、「大丈夫、嘘をつかなくても優しくしてもらえる」と心の中でつぶやいたり、胸に手を当てる等のポーズを決めたりするのも効果的です。
これが、本当に得たいものを得るための行動を決める、ということです。
また、なれないうちはできるだけ噓をつきにくい環境に身を置けると良いです。
例えば、先輩と話しているときにはあまり噓はつかないけど、同級生だと張り合ってしまってつい嘘をついてしまうというのであれば、なるべく同級生よりも先輩と一緒にいるようにするというようなイメージです。
完璧は難しいと思うので、できるだけ噓をつきやすい状況を避けることを意識できるといいですね^^
ステップ⑤実践と改善を繰り返す
計画まで立てられたら、あとは実践あるのみです!計画通りに実践していきましょう!
ただ、もしかしたらうまく計画通りにはいかないかもしれません。でも、それはそれでOKです!
最初からうまく行かなくたって全然大丈夫。別にあなたが劣っているわけではありません。むしろ、最初はうまくいかない、計画したとおりになんてなるわけないくらいで構えておいたほうが継続しやすいと思います^^
計画がうまくいかったときに大切なのが、改善のプロセスです。何がうまく行っていないのか、どうしたらうまくいきそうなのかを定期的に確認できるといいですね。
個人的には1週間1回30分でいいので時間をとって毎週振り返りをすることをお勧めします。虚言癖以外のテーマですが、私も振り返りを毎週で行っていて小さくても前に進めている感覚を得ることができているのでおすすめです!
まとめ
以上が虚言癖の治療5ステップです。
おさらいすると、下記の5つでしたね。
ステップ②嘘をついている場面を記録する
ステップ③嘘をついている自分に理由に気づく
ステップ④行動計画を立てる
ステップ⑤実践と改善を繰り返す[/aside]
虚言癖は地道に実践していけばかならず良くなります!
とはいえ、自分だけで実践するのは難しいと思ってしまう人もいると思います。
そんな時は誰かに悩みを相談したり話を聞いてもらうことから始めてみるのもアリだと思います。
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